2022年10月28日金曜日

ブラック・クローラー 殺戮領域

Saltwater:The Battle For Ramree Island

 2021年  イギリス

監督 スティーブ・ローソン

グレン・サルベージ 他

1945年第二次世界大戦の最中、ビルマの沼地にあるラムリー島で起こったイギリス軍と日本軍の悲惨な実話を元に作られたお話。

ワニに襲われるパニックムービーと言うより、戦争の悲惨さを考える会話劇の部類だわな。


元の脚本は舞台劇用なのかな?

ビルマ戦線の話というと「ビルマの竪琴」と言う創作物しか思い出せない。あれはあれで南方に行った兵隊さん達が「埴生の宿」でイギリス兵と合唱したよとか言うんでそれはそれで良いんだけど、こう言う「戦争に行ったけど、本当は沼地でワニに襲われたり餓死したり病気で死んだりしたんだよ」と言う方が切実で戦争の無意味さがよくわかる。

このラムリー島での死者の数は正式には日本軍の記録には残っていないそうだ。でも記録にないからそれが無かった訳じゃない。日本軍は負けると判ると有りとあらゆる書類を廃棄処分にしたと言う証言は沢山残ってるもんね。ずるいよね。

とは言え連合軍だって本当のところはどうなのか解らない。2022年の私達が判るのは「様々な資源に溢れる軍事的に重要拠点だったビルマを制圧した日本軍から奪還する為に、連合軍のイギリス部隊とその連邦国であるインド兵らが彼の地に赴き、それぞれが本来の戦闘ではなく全く別の理由で沢山死んでいった」という事実のみ。

実際南方に兵士として行かれた水木しげる先生も、殆どの兵士は病気と飢餓で死んだと証言している。これも戦後20年以上経たないと出なかった話。じいさんたち話したがらなかったよね。

そう考えると、別の意味でこの脚本使えないかなとか思っちゃう。と言うのも、会話劇として面白いのよ。イギリス人のジンクスやインド人に対する差別的感覚、日本兵は失敗して恥を描く前にハラキリをするとか言うガセを大真面目に信じてる人達多しとか🤔

エラく緊迫してる状態なのに、へんにユーモラスな会話が出て来るのもおかしいし。

歴史上実際に起こった出来事を、様々な角度から見て知ってそして判断する。そういう意味ではこれ観て良かったわー。

戦争反対!やったって何の意味もないし。





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