1995年 アメリカ
監督 ジム・ジャームッシュ
主演 ジョニー・ディップ
ジム・ジャームッシュの映画っていつも生きてるのか死んでるのか判らない人達が出てくるんだよなぁと常々思っちゃうわしなのだが、これはその最たる作品だ。
彼らは死んだ事に気がつかないで、うすらうすらと冥界への道を見つけて行っている。その姿を監督独自の視点で描いてる様にしか見えないのよねー。
なんでだろー?
イギリスの偉大な詩人と同じ名前を持つこの物語の主人公も、不幸な事にきっと最初の頃に何処かの場面で死んでる。と思う。
ロバート・ミッチャム演じる社長の息子(ガブリエル・バーン!!!)に撃たれた時の傷が元で、ネイティブ・アメリカンのノーボディに出会った時には既に彷徨える魂になってたと。
で、その魂を憐れんだイギリス帰りのネイティブ・アメリカンの呪術師が、地縛霊にならない様に導いてあげる。
とな。
そんな感じの物語。
ジョニデもまだまだ綺麗で(今も素敵だけど)モノクロームに生えてあまりに美しいので、彼の美を更に際立たせる為殺し屋やら保安官やらは総じてむさ苦しいビジュアルになってる。
独自の視点ですが。
「エレファントマン」や「ミッドナイト・エキスプレス」の名優ジョン・ハートや、「エイリアン2」のアンドロイド役が印象的なランス・ヘンリクセンもみんな小汚い西部の男になってるし、元々小汚いイギー・ポップなんか更に大汚いおばさんだかおじさんだか分からない姿でむさ苦しく殺される役を好演❣️好き💕🤭
小汚いと言えば、音楽担当してるのニール・ヤングなのよね。これまた小汚いおっさんでガッツリ固めたもんだわねー。
随所随時に主人公と同じ名前の詩人ウィリアム・ブレイクの詩が使われているらしいんですが、無学なわしには分からなかったので調べましたよ。最初見てた時はネイティブ・アメリカンの言い伝えかと思っちゃった。
ただ、道々タバコの事がセリフに乗ってきてたので「なんだろう?」と思って調べたら、タバコの葉は古くから呪術に使われてたのよね。そうなのか。
ネイティブ・アメリカンにとっては神様に供える大切なお供物。ノーボディがブレイクに度々「タバコ持ってるか?」と聞いたのは、彼方に行く心の準備は出来たか?と尋ねてたんだね。
じゃあ、彼が殺した奴らは、一体誰に殺されたの?
これはイーストウッド監督が作った「許されざる者」によく現されてると思う。
つまり、西部の男が言うことなんかまともに付き合ってたらバカを見る。噂はあくまで噂に過ぎず事実はその内の1つあれば良い方だ。口伝で語られる物語なんて、時間が経つほど語る人が多くなる程元の物語からかけ離れて行く。
だよね。
じゃあ、海原に出て行くブレイクが最後に見たノーボディと殺し屋の相撃は何を意味してたんだろう?
あれこそが全てだったんじゃないだろか?
賞金稼ぎが次々とライバルを殺して行って、最後にブレイクの遺体を弔っていたノーボディを殺し、その時殺し屋も殺された。
そもそも、ノーボディは存在したのか?
全ては死にゆくブレイクが見た夢だったのか?
無抵抗のまま撃たれて死んだ憐れな子鹿が、彼そのものだったのかも知れない。
2 件のコメント:
そうかーそういうことだったんだー!
公開されてすぐに観てるんだけど、ちゃんとわかってみてないと思います。
ジャームッシュはよくわかんないままでいいやぁ~ってww
観直してみたいです。
綺麗なジョニデも見たいし💛
美藤姐!
いやー、私の穿った見方なので、美藤姐が見直したらまた違った解釈するかも知れませんよ。
ぜひ機会があったら見直してください!ジョニデがとにかく綺麗💕目の保養。
彼に深傷を負わせる役をガブリエル・バーンがやってて、それで「シエスタ」を思い出して「あー」となったんです。そもそも題からして「死人」ですからね(笑)
コメントを投稿