1972年 東映 日本、香港、韓国、タイ王国 合作
監督 中島貞夫
千葉真一、苗可秀、崔峰、チャイヤ・スリヤン、金昌淑、松方弘樹。
タイトルの「麻薬」の上にご丁寧にも「覚せい剤」と書かれています。
これは作品にも顔を出す菅原通濟の体験を元にしているらしいですよ。「麻薬・売春・性病」の三悪追放協会の会長で実業界や政界のフィクサーとして君臨した彼は、あまり表に出せない色んな事を知ってるんでしょうね。
そう考えると、ここに出てくる諸悪の根源「サンコウブッサン」のモデルって何処の事だろ?三光?三興?SANKO?意味深な名前だよねぇ。なんと言っても麻薬地帯=タイ北部の国境にまたがる黄金の三角地帯と言うのが世の習わしみたいに言われてる中、実は日本の大企業が秘密の地下室で人工的に純度の高い覚せい剤を作っていると言うのは衝撃ですよ。
それを隠す為に、松方弘樹演じる捨て駒のチンピラが企業に雇われてタイから麻薬を密輸すると言う。
つまり、世の中の摘発される密輸入の覚せい剤は全てダミーで、本当に質の良いヤクは日本国内の大企業の清潔なラボで秘密裏に製造されているのだと。
ひぇー。やばいなぁ。
それに巻き込まれて死んだ妹の仇を討つために松方弘樹を追いアジアを駆け巡る千葉真一。韓国香港タイそれぞれの実力有る役者が出てて面白いです。
崔峰최 봉 チェ・ポン ちょっと素敵なオジサマですね。
チャイヤ・スリヤン ไชยาสริย้นこちらもなかなか素敵です。
苗可秀ノラ・ミャオ可愛いなぁ。
4カ国の人々が入り乱れるので当然言語も入り乱れ、お互い通じたり通じなかったりするし、北京語で話しかけられてタイ語で返事するとか、日常的に有る光景なので凄く自然に観られました。ノラ・ミャオの日本語吹き替えも割合自然だったし、無理にみんなが日本語で会話する不自然さが無くてよかったです。
まぁ、映画的にはツッコミ所多々有りますが、「純度の高い覚せい剤は、実は日本企業が国内で造る合成麻薬なのだ」と言うのに凄く驚いてしまい、もしかしてこれって名作?と思ってしまうワタシなのでした。
鬼籍の人と遺跡群。
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